仕事で知り合ったフィンランド人Kさんから、はがきが届きました。この春、日本に来ると。
7年前にも来日し、日本での友人・知人を訪ねる旅をしたKさん。今回も約1ヶ月滞在して、あちこち巡るようです。
前回来日の際にはメールで連絡をして会ったのですが、すでに7年経ちアドレスを紛失してしまっていることに気づくわたし・・ クリスマスカードはやりとりしているので、住所だけはわかっています。そこで手紙を書き、わたしの携帯電話の番号なども書きました。
そして無事にKさんから電話があり、ランチ&お茶をすることに♪
日本で働いていた年数が長いKさんですが、退職してからもう10年近く。そして7年ぶりの日本なので、けっこう戸惑ったり間違ったりすることが多かったようです。これって、自国フィンランドの生活に再適応したためで、まあ当たり前のことなのですが・・
バス代の小銭を両替の場所に入れてしまったり。
JRに乗るために買った切符で私鉄の改札に入ろうとしてしまったり。
駅構内で待ち合わせしたのに、改札を出てしまって迷ったり。
手洗い場の自動水栓や手を乾燥させる機械に驚いたり。
でも日本の人たちはやさしくて親切で、迷ったKさんを助けてくれて、わたしたちは無事に出会うことができました。
今回、彼女は古い写真をたくさん見せてくれました。
それは彼女のルーツである、家族や親戚の写真でした。
若くして亡くなったお父さん、
赤ちゃんの頃のKさん、
祖父母の若い頃、
親戚が集まった時の写真、
モノクロあるいはセピアの写真の中のフィンランドの人たちは、きまじめで痩せていて、色がない写真なのにその瞳の色が見えるようでした。
これまでほとんど他人に話したことがない、という彼女自身の幼い頃の話、家族のこと、両親への思い・・
それらを聞いていると、Kさんの芯の強さや仕事へのまっすぐな思いがどこから来たのかがわかるような気がしました。
幼い頃のつらさ、孤独・・それに打ち倒されることも自己憐憫(れんびん)に陥ることもなく、凜として生きることを選んできたKさん。
Kさんの故郷の写真には素朴でなんてことのない緑の原が広がり、人の手が入らない美しさとやはり日本とは違う空気の色がありました。
「もう、わたしはゆるしました。」
そう穏やかにはっきり語るKさんは、まぎれもなくわたしが大好きになった静かで強い(でも目立たない)ものを持っていて、それがわたしの心にひっそりつきまとう不安の霧を吹き払ってくれるように感じました。
ランチのお味噌汁を「おいしい」と喜び、自分でお冷やのおかわりを入れに行きそうになってわたしが止め(その店はセルフではなかったので)、今回のスケジュール(けっこう日本のあちこちに行く)を詳細に話してくれて、7年も会ってないし直接話してないのにその時間の隔たりなど全くありませんでした。
おそらく、生のフィンランドは日本がそうであるように、外の者が抱くその国のイメージには当てはまらない人たちや家庭や生活がいくらでもあることでしょう。Kさんの身近な人たちの話を聞いてそう思いました。
たとえば、Kさんいわくマリメッコはフィンランドでも値段が高いものの部類になる。お金持ちが買う、というイメージ、と。あくまでKさん個人の感じ方ですが、質素でシンプルな生活をしているフィンランドの人からしたらそうなのでしょう。それは日本にいると感覚的にはわかりにくいかもしれません。
別れ際に、Kさんがメッセージを書いたカードをくれました。
「早く、フィンランドに来てくださいね!」
との文章に、ほんとに思い切らなくちゃな、と考えました。
行くならフィンランドが美しい季節、夏か
オーロラが見える冬か(でも寒さがすごく厳しい)
うーん・・その前にまず、パスポートをもう一度取らなくては!
おすすめの本。
↑この本、コーヒーとともに、北欧の風景を垣間見られます。
楽天ブックスではこちら。
いつもご覧いただきありがとうございます。
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7年前にも来日し、日本での友人・知人を訪ねる旅をしたKさん。今回も約1ヶ月滞在して、あちこち巡るようです。
前回来日の際にはメールで連絡をして会ったのですが、すでに7年経ちアドレスを紛失してしまっていることに気づくわたし・・ クリスマスカードはやりとりしているので、住所だけはわかっています。そこで手紙を書き、わたしの携帯電話の番号なども書きました。
そして無事にKさんから電話があり、ランチ&お茶をすることに♪
日本で働いていた年数が長いKさんですが、退職してからもう10年近く。そして7年ぶりの日本なので、けっこう戸惑ったり間違ったりすることが多かったようです。これって、自国フィンランドの生活に再適応したためで、まあ当たり前のことなのですが・・
バス代の小銭を両替の場所に入れてしまったり。
JRに乗るために買った切符で私鉄の改札に入ろうとしてしまったり。
駅構内で待ち合わせしたのに、改札を出てしまって迷ったり。
手洗い場の自動水栓や手を乾燥させる機械に驚いたり。
でも日本の人たちはやさしくて親切で、迷ったKさんを助けてくれて、わたしたちは無事に出会うことができました。
今回、彼女は古い写真をたくさん見せてくれました。
それは彼女のルーツである、家族や親戚の写真でした。
若くして亡くなったお父さん、
赤ちゃんの頃のKさん、
祖父母の若い頃、
親戚が集まった時の写真、
モノクロあるいはセピアの写真の中のフィンランドの人たちは、きまじめで痩せていて、色がない写真なのにその瞳の色が見えるようでした。
これまでほとんど他人に話したことがない、という彼女自身の幼い頃の話、家族のこと、両親への思い・・
それらを聞いていると、Kさんの芯の強さや仕事へのまっすぐな思いがどこから来たのかがわかるような気がしました。
幼い頃のつらさ、孤独・・それに打ち倒されることも自己憐憫(れんびん)に陥ることもなく、凜として生きることを選んできたKさん。
Kさんの故郷の写真には素朴でなんてことのない緑の原が広がり、人の手が入らない美しさとやはり日本とは違う空気の色がありました。
「もう、わたしはゆるしました。」
そう穏やかにはっきり語るKさんは、まぎれもなくわたしが大好きになった静かで強い(でも目立たない)ものを持っていて、それがわたしの心にひっそりつきまとう不安の霧を吹き払ってくれるように感じました。
ランチのお味噌汁を「おいしい」と喜び、自分でお冷やのおかわりを入れに行きそうになってわたしが止め(その店はセルフではなかったので)、今回のスケジュール(けっこう日本のあちこちに行く)を詳細に話してくれて、7年も会ってないし直接話してないのにその時間の隔たりなど全くありませんでした。
おそらく、生のフィンランドは日本がそうであるように、外の者が抱くその国のイメージには当てはまらない人たちや家庭や生活がいくらでもあることでしょう。Kさんの身近な人たちの話を聞いてそう思いました。
たとえば、Kさんいわくマリメッコはフィンランドでも値段が高いものの部類になる。お金持ちが買う、というイメージ、と。あくまでKさん個人の感じ方ですが、質素でシンプルな生活をしているフィンランドの人からしたらそうなのでしょう。それは日本にいると感覚的にはわかりにくいかもしれません。
別れ際に、Kさんがメッセージを書いたカードをくれました。
「早く、フィンランドに来てくださいね!」
との文章に、ほんとに思い切らなくちゃな、と考えました。
行くならフィンランドが美しい季節、夏か
オーロラが見える冬か(でも寒さがすごく厳しい)
うーん・・その前にまず、パスポートをもう一度取らなくては!
おすすめの本。
↑この本、コーヒーとともに、北欧の風景を垣間見られます。
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